伊豆ジオ探訪第⑤回は「子浦三十三観音」です。子浦三十三観音は、浸食でえぐられた海底火山の噴出物のくぼ地にある石仏群です。
三十三観音までは子浦港から徒歩5分、子浦日和山遊歩道を歩いて行きます。途中に県指定天然記念物の「子浦のウバメガシ群落」があります。ウバメガシは、海岸沿いのような崩れやすく潮風にあたる環境でも育つ常緑広葉樹です。
海底火山の名残を眺めながら歩いていると到着です。
わたくし、少し怖いことに気付いたのです。上の写真、手前2体の観音様がこちらを見ております。この撮影角度で目線が合うように設置された意味とは、何なのでしょうか。。。でもお顔が穏やかですので、ゾッとする怖さはありませんが。
何気に気になったので観音様の数を数えてみました。当たり前ですが、33体ありました笑
ただし、壁に一直線に並んでいる数が33体で、左右には合わせて他に3体石仏がありました。
ジオメモ
三十三観音の後ろにある地層には、海底火山の噴出物が急冷された際にできる岩がたくさん見られます。その一つ、水冷破砕溶岩は、海底に噴出した熱い溶岩流が冷たい海水に触れて急冷される際、ひずみが起きてこなごなに砕け、その岩片などが集合してできます。
ウバメガシは漁付林(うおつきりん)として保護されてきました。漁付林とは、漁場保全の目的で植林、または天然林を育成したものです。腐葉土の良質な栄養分が水中に溶け出し、微生物発生を促して漁場を豊かにします。